何十年ぶりかの大雪はいつもの景色を魔法のように変えた。 自動車の光に照らされた道は、轍と足跡が交差するひと時の雪国だ。 きしむ足音を聞きたくて用もないのに何度も外へ出てみる。 近くの赤提灯が雪景色の中で、いつになくいきいきと輝いていた。