散髪が終わる頃には、辺りはすっかり暗くなっている。 店を出たとたん刈りたてた首筋が肌寒く、すくめた首に襟が冷たい。 ほんのりとローションの香りを楽しみながら急ぐ帰り道。 体が冷えてしまうほど家は遠くない。少年の日の思い出。